繊細な描画で
和彫の物語を刻む男

彫昂龍氏のアートとの出会いは友人の腕に刻まれた刺青であった。それがあまりにも美しく、一発で心を奪われたのをよく覚えている。繊細な描画、鮮やかな色彩、和洋折衷の独自の解釈で表現でされるそれはまさにアートである。今回SANGOUではその彫昂龍氏とのコラボを実現。生地の内側にプリントを施すことで、絵を透かせて魅せるという仕様に仕上がっている。
刺青を彫った事ない人はあまり見る機会がないと思うので、チラ見せ。これが彫昂龍氏の肉筆原画。走る線。これが生きている線なのだ。筆圧や線の勢いが、その龍の咆哮を訴えかけ、迫ってくる感じがしないだろうか。この絵はSANGOUコラボ用の描き起こしであるから彫ることはないのだが、刺青になる場合は、これを薄いトレーシングペーパーに清書の上で身体にトレースする。そこをなぞって針で彫っていくのだ。しかし彫昂龍氏の場合は、そのトレースをほとんど行わない。驚く事にトレースは大枠のみで、波や風などの装飾は、下書き無しの一発描きで彫っていく。人の身体はそれぞれだから、彫りながらバランスを調整していくという事らしい。なんという技巧か。そうやって恐ろしく繊細で細かい描写が、真っ白な肌にどんどん刻まれていくのだ。